どこいった暮らし

ただのはぐれものです。

barefoot

夏頃から、「よくない」と思っていた体調が

最近、冬季性うつのような症状でますます具合が悪い

20年前の私なら、この感情に名前をつけようとしたし、どうにかコントロールしようとしていただろうと思う

20年前のあの時と、心情こそ同じだが

いまのわたしは自分を理解できいる、少なくともあのみっとうもない若さの真っ只中で立ち尽くしていたあの頃よりは

 


私はあれからどのくらい前に進んだろう

少なくとも母親になるなんて思いもしなかったし、夢見た結婚生活がこんなに早く破綻して、こどもを一人で育てる親になるなんてことは想像もしていなかった

 


ここ2年くらい、交際相手について深く考えざるを得ない出来事がたくさんあった

それは自分の過去のパーソナルな事にもどうしても回帰して結びつく

心に問題を抱えた相手同士というのはどうしてこうも不健全に引き合い、引き合っては反発し、なんの意味もなく散ってしまうのか考えてた

何冊か本も読んだ

正しさを突きつけられると、自分がひどく悪者になった気になる

正しいけど、絶対間違っているってなことはたくさんあるのに

 


問題を抱えた彼らの事を思うと、吹き曝しの孤独の中で、無感情になった日のことを思って苦しい

少なくとも常識はずれの、はぐれものの、彼らの哀しみが手に取るように理解できたけど、それと同時にその問題は、他の誰でもない本人にしか背負えない事だともわかっていた

それでもトライした、苦しみを分つことで、散る前に意味があるならそれでよかった

だってどうせどんな花も散ってしまう

自然の摂理だ、どうってことない、従来わたしは、他人からどう思われようと気にしない

そこらの花が散ったってどうせ、誰も気にしない

人のいたみを知ろうとする人以外は

 


この夏に真っ暗な夜道で、何度か鼻歌した曲がある

 

https://youtu.be/buimOOWgbqQ


(I don't know what you do here but I...)

I don't know who you are
But I caught a sight of you
Hands frozen before a warm dining place

A snowing freezing night
I see you wear no shoes
But you're standing on the street hoping to get high

You with the chapped hands
You look in pain to me and
Your bare feet are now full of cuts

Why don't you buy some shoes
If you can pay for that
All the mess you've been through won't fade away
Why not buy some shoes
You don't need to pay for that
In this town no one cares about you but me

You like to talk on the phone
In the phone box you feel safe
Someone is on the line
But no one touches you

You don't wanna talk about it
So I won't force the issue
I sense an edge when you talk of your childhood

You with the chapped hands
You look in pain to me and
Your bare feet are now full of cuts

Why don't you buy some shoes
If you can pay for that
All the mess you've been through won't fade away
Why not buy some shoes
You don't need to pay for that
No one cares about you but me

Can you get over what they did to you
Your scars won't disappear
But you're still alive
You are still alive

Open your eyes
Look at the world
Break from the nightmare
A whole life awaits you
No one can help you but you

Why don't you buy some shoes
If you can pay for that
All the mess you've been through won't fade away
Why not buy some shoes
You don't need to pay for that
It's cold out no one can help you now but you
But you
But you

 

 

 

夫も、歌詞でいう電話ボックスが好きだった

つまり、今でいうSNS、ネット、そういうもののコミュニケーション

発信一方のそれらは、誰も夫に干渉しない、責められない、そのことで傷つけられたりも、過去を掘り出されたりもしなかったろう 今自分が立たされている現実からも逃避することができる安全な場所だったに違いない

その代わりに誰も夫には触らない それが余計に夫の孤独を深めることになったのかそうでないのか、わたしにはわからないが

 


通りに立ちんぼこそしなかったが、年中 酒とメンタル処方薬でラリっていた

そうしないとだめだったんだろう、もうずっと昔から、そうやって生きてきたんだろう

 


出会った頃の夫は自由で、なにも持たず、ギターひとつで父親のもとに転がり込んだただの哀れな若者だった

深く落ち込んだ瞳の中に爛々とした狂気があって、何よりもすごくすごく寂しそうだった

今あの頃の彼に出会っても、きっとまた惹かれるだろうと思う

眠れない夜に送ってくれた、彼のジェフベックのアナザープレイスは、いまも私の心に深く住み着いている

すべての孤独を肯定するような美しい旋律をきっと死ぬまで忘れない

誰が奏でてもあんな素晴らしいものにはならない

 


歌詞にはこうある

 


なぜ靴を買わないのかな?

君がいくら犠牲を払ったとしても、それは消えて無くならない

なぜ靴を買わないの?

誰も君を救えない

でも君は…

 


心を開いてみて、(open your eyes なので直訳ではそうではない)

見渡してみて、

悪夢を終わらせたら、世界が待ってる

誰も君を助けられない

でも君なら

 

 

 

なぜ、靴じゃだめだったのか?

鼻歌しながら考えていた

なぜ、みんな破壊的な人生の方を選ぶのか、

逃避にも自傷の、嘘だらけの悪夢の世界から、目を覚まさないのか

やっと最近答えが出た、もちろんこれは私の答えだ

簡単だ、靴じゃだめなのだ

 


彼らの望んだことはみんな、靴を買って悪夢を終わらせる事じゃなかった

たったそれだけのこと

 

 

 

でも私は…

 

 

 

子どもがいながらラリってた夫のことも、幼稚な嘘を重ねた相手のことも一生許さない

笑っているがわたしはフェアじゃないことをされたら絶対に忘れないし、絶対に許すことはできない

わたしはその、孤独の名を借りた怠情を見逃さない

でもわたしは悪夢を終わらせたい

恨むこと、憎むこと、そういうことをやめることができる、

だってそう望んでんだから、私自身が

 


彼らに心安らぐ何かとの出会いがあり、穏やかな日々を過ごしていってほしいと心から願ってる どうぞ私以外にゆるされてほしい

 


わたしは靴をはいて、ここでさよなら。

楽しかったわ、ありがとう。